映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

エリア・カザン監督「波止場」589本目

エデンの東」の監督がアカデミー賞をとった作品なので、ナイーブな青年の懊悩を描いたデリケートな作品かなと思いながら見ました。

仕立てがテレビドラマみたい。場面転換の音楽が「ジャーン!」みたいな。
で、主役がジェームスディーンじゃなくてマーロンブランドなので、ずっと無骨です。
ストーリーは勧善懲悪、事実に基づいているということで、当時のアメリカの人たちは前向きで痛快な気持ちでこの映画を見て、高く評価したのではないかと思います。

最初は不良だった主人公が、一人のまっとうな女性の影響を受けて、悪に向って立ち上がるという変化には、説得力があります。画面も美しい。けど、わりあい小粒な印象でした。