映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

成島出監督「八日目の蝉」757本目

良かった。エンジェルホームと写真館の演出がやりすぎだったけど、良かった。テレビ版(壇れいと北乃きい)がすごく良かったので、今更見ても…と思ってたけど、こっちもすごく良かった。むしろ、テレビ版はCMのような秒単位の起承転結が多くて、すこし演出過剰だったんじゃないかと思えてきた。

永作博美井上真央、親子で通用しそうな程度になんとなく似た二人が、演技臭さの全くない”人生”をちゃんと演じていました。この映画はもう、原作の目の付け所と表現力が素晴らしすぎて、どうやってもいい作品になってしまいそうだけど、まったく気を抜かず、家族って何なんだっけ?愛とか絆ってどういうものだっけ?と深く考えさせる佳作ができました。