ポーランド映画だったのね。
ポーランドはロマン・ポランスキーの祖国。彼の経歴にある、ポーランドのユダヤ人が第二次大戦時にたどった恐ろしい運命のことを思い出して、いたたまれない気持ちで最終上映の終わった映画館を出たのでした。
(いつも思うんだけど、一人で映画館でこういう映画を見てそのまま家に帰るのってちょっとキツイなぁ)
といってもこの映画はちっとも暗い映画でも、怖い映画でもありません。いろいろあったけど若きイーダちゃんは自分で生きる道を選んでまっすぐ進んでいきます。「神はいないということを知ることになるのよ」と叔母に言われても逃げない。神はいなかった、かのような過酷な事実や、やっと出会えた肉親とのいきなりの別れにあっても、彼女は常にそのときの自分の心に忠実でまっすぐです。そこが救いなんだな。
初めての彼氏に「それから?」と尋ねると「結婚して犬を飼って子供を産むんだ」「それから?」「いろいろあるよ」…そこで彼女はその先を見切ってしまったのかなぁ。特にそこに夢を見出さなかったということなのかな。
ただ、「退屈な修道生活へ戻っていった」とは思わない。そういう俗世間のearthly delightよりも、神様と暮らすことを彼女は明確に選択しました。両親や兄のことを現実として知った後も、信仰を失わなかった彼女はとても強いのです。
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