映像がすごく古っぽいので1980年くらいの作品かと思ったらジョニー・デップが出てる。といっても1999年の作品なのでもう20年以上前ですね。
アンティークな図書館って大好き。アイルランドのトリニティ・カレッジのロングルーム では、タイトルがわかる本も一冊もないのに、ただそこに本が鎮座してるだけでうっとりしてそこに住みたいと思ったくらい…。なので、この映画は私から見ると「ひきょう」だ。内容関係なくうっとりしてしまう…。
というこの、ゲームやアニメなら「世界観」と呼びそうな、古めかしい雰囲気、エマニュエル・セニエのいつも怪しい態度などにけむに巻かれながら、まっすぐに迷宮に迷い込んでいくジョニー・デップと一緒にずんずん映画の世界に入り込んでいきます。
でも、さんざんポランスキー監督の映画を見てきて思うに、彼はこの「迷い込む感じ」が作りたい人で、オチはあまり付けたくないというか、ストーリーのキレにこだわる監督じゃない気がしています。エマニュエル・セニエの正体は明かされないけど、バルカンを超える本物のルシファーに近い存在で、彼女が求めたのは不死の肉体なんかではなくてジョニー・デップの子供を(ローズマリーの赤ちゃんのように)身ごもることだったのかもね…。
今は映画の最後のキレとか意外性がすごく求められる時代だと思うので、(だからこそ、エンディングがショッキングすぎて「カルトムービー」にしかなれなかった作品が脚光を浴びたりしている)この映画はかなり不利ですよねー。
でも雰囲気映画も嫌いじゃないので、引き続きポランスキー作品も見ますよ。