映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

トム・マッカーシー 監督「スポットライト 世紀のスクープ」1558本目

うーん。この映画は、面白いのか?
題材があまりにもショッキングで、(一方、どこか、その世界では当たり前と言われればそんな気もする)もともと事実がこんなにいっぱいあって広く知られてるのに、それを「暴く」ことがスクープだというのがどうかしてる、というあったりまえの感覚もある。隠蔽されていたもののごく一部を白日のもとに晒すことは、極めて当たり前という意味で重要だけど、テーマは「暴いた奴らってすごいぜ!」じゃなくて、「当たり前のことをさもすごい秘密のようにアメリカ中で捉えるのって、もうみんな感覚ずれてるんじゃない?教会のどこかのおかしな人たちのことには結局、ほとんど何も触れなかったんじゃない?」という自分の中の気持ちも大切にしたい。
そうしないと、どこの国でも、偉い人が都合の悪い事実を隠蔽していることが既定の事実みたいになっちゃうから。

なんか変なテーマの映画だった。