面白かった!こういう抱腹絶倒なおバカ映画って大好きです。
「なんか乗り切れなかった」という感想の人もけっこういますが、私にとってはこの映画はまさに好みのタイプでした。「パラサイト」には富裕の差にもとづく敵・味方という敵対関係があって入り込めなかったけど、この映画はただただおバカという平和があるのが好きです。
そしてこれは私の「別府ブルーバード劇場」初体験ともなりました。別府に来るたびにずっといつか行こうと思っていた、歴史ある劇場です。宣伝が派手な映画も地味な映画も、監督が有名な映画も無名な映画も、館長のセレクションによって平等に選ばれています。こういう映画館がこの温泉町に50年以上もありつづけてることって素晴らしいですね。
映画に戻ると、俳優のキャラ設定が明確でしっかりしてるし、大真面目の中の”抜け感”が絶妙だし、”バカだけど強い”というキャラが憎めない上に痛快だし、なんだか水原カルビチキンが旨そうで旨そうでたまりません。
韓国映画もメジャーなものは結構見るようになったつもりだったけど、今回の出演者は全員見事に初見です。新しい韓国映画の扉を開いてくれて、ありがとう。班長の賢そうで全然賢くない感じ、不死身のゾンビ戦法。ちょっと川原亜矢子っぽいチャン刑事も、殺人マシンみたいな敵方の女性ファイターもカッコいい。岸田森似のマ刑事があの髪型でニヤリと笑うのはちょっと反則。ひとりだけ真面目に張込みを続けるヨンホ刑事は一見クールだけどやっぱり相当抜けている。子犬みたいに可愛いジェフン刑事は…野球部でどMって…そもそも戦力外でしょ!
インテリヤクザみたいな麻薬王は意外と弱虫だし、IT長者みたいなもう一人の悪党は、大物のようだけどちっちゃい奴。…こういったキャラ設定がほんとに絶妙です。脚本もいいけど演出もいいし役者もいい。揃わないとこういう面白さは出ません。
映画好きにもいろんなタイプがいると思うけど、私はこういう映画が好きな人たちとお友達になりたいわ~。