映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ホウ・シャオシェン監督「恋恋風塵」2623本目

幼なじみとの初恋は、風の前の塵のように消えてしまいました…

台湾映画って、昔の日本のような風景や人物たちの素朴さですでに60点は確保してるんじゃないだろうか。あまりによくある、さりげない、何もない若者たちのはかない恋。

少女アフンがどんどん綺麗になっていく一方、いつまでたっても青臭いままのアワン。彼女の心変わりの事情は特に語られず、兵役にもまれるアワン少年の視点で語られる映画なんですよね。

小中学校の時のやんちゃだった同級生の訃報を先週聞いたからか、アワンとその彼がちょっと似てる気がする。彼はいたずらばっかりしてるやんちゃ坊主だったけど、繊細なところもあって、どんな大人になったんだろうと思ってたので会えないままで残念だったけど、優しい男だった、女によくモテたと聞きました。この映画のアワンは切ない役どころだけど、やんちゃで優しい男は大人になってからモテるぞ。きっと彼にもいい感じの未来が待っていたんだと思いたいです。