図書館にこの映画のDVDがあったので借りて来ました。この監督の「聖なる酔っぱらいの伝説」でルドガー・ハウアーに惚れたのはわりと最近のこと。この映画の、学問を全否定して田舎に引っ込んだ教授は「女性生徒がみんな惚れる」二枚目です。日本でリメイクしたら(しないけど)オダギリジョーみたいな感じかな…。(監督が河瀨直美だと、でき過ぎでむしろちょっとイヤだ)
冒頭の、図書館じゅうに剣を突き立てられた古書がばらまかれてる映像にドキッとします。かつ、様式的。見る前にいろんな方々の感想を読んでみたら、知識としての宗教に決別して自然な感情に回帰する、みたいなことを書いてある人が多かったけど、監督としてはこれを最後の映画にすると言ってたらしいし、知識や様式美としての映画に決別しようという意志の表れなのかもしれません。(このあと実際は2本監督してるので、それも見てみたい)
村の暮らしがやさしくて平和でいいですね。私自身、いろんな喧噪に疲れて会社を辞めたばかりなので、気持ちがこういう生活のほうに向いてしまいます。
でも、そういいながらどれくらい本当に村の生活に寄り添えてるのか?音楽でいえばピーター・ゲイブリエルやデヴィッド・バーンや細野晴臣が演奏するワールド・ミュージックは本当にプリミティブなわけではない。エルマンノ・オルミ監督は洗練された知性を持った監督だ。村で生まれて村で死ぬ人ではない。そういう「違い」につい目が行ってしまうのは、ものごとを難しく考えすぎる悪い癖ですね。
…ピザが食べたくなってきた。。。