映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ダニエル・ロアー 監督「ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった」2968本目

やっと配信が始まった!これ映画館に行きそびれてたやつ。

ザ・バンドがいかに素晴らしいバンドで、なぜロビー・ロバートソンが孤立してバンドを解散しなければならなかったか…他のメンバーはロビーが勝手にやめた、というようなことを言ってたこともあったけど、それだけじゃないと思ってたので、ロビーの言い分を一度きちんと聞かなきゃならなかった。彼だけが音楽の第一線に生き残って、依存症にもならずにちゃんとお金も稼いできた。でも、バンドを続けていくより辞めたほうが、みんなが今までのみんなに戻れるって思ったんだろう、と思ってたら、だいたいそんな話だった。つまりこの映画はロビーの釈明ともいえる。彼ももう77歳だって。彼がザ・バンドを語るのも、そろそろこれで最後の機会かもしれない。

この作品では、ロビーとリーヴォンの長年の関係について時間を割いて語られていて、ツアー中に亡くなったリチャード・マニュエルや突然死したリック・ダンコについては語られていなかったのは、よかったんじゃないかな。悲しい話ばっかりにならないほうが。

ほんとに、こんないい音楽はない、こんなにいいバンドはなかった。彼らがバンドを組んで、「ラスト・ワルツ」で頂点をきわめる世界一のアンサンブルに至ったというのは神様がもたらしたすごい出来事で、彼らの音楽を聴くことができてよかったのだ。私はとっくに解散して何十年もたった後で突然好きになって聴き始めたので、そのときすでに何人か亡くなっていたんだけど、レジェンドという感じではなくて身近で良い音楽って思ってたから、亡くなっていたことがすごく悲しい。(プレスリーとかチャップリンが故人なのは悲しくないのにね)

これ、映画館で見たら大泣きして隣の人に迷惑かけたかも。行かなくてよかったか!?

ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった(字幕版)

ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった(字幕版)

  • 発売日: 2021/05/01
  • メディア: Prime Video