映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

篠原利恵 監督「裏ゾッキ」3196本目

表のほうの「ゾッキ」を見たあと、「裏」も楽しみにしてました。

蒲郡、めちゃくちゃ協力的というか大歓迎だな…。東京とまるで逆だ。こんなに地味な作品なのに(笑)市長こんなにがんばっちゃって大丈夫なんでしょうか(笑)

蒲郡、ほんと静かな田舎町だな…。原作者の大橋裕之(姿を見るのも初めてだ)はこんな風景のなかで暮らしてきて、そんなところで起こったり、思いついたり、想像したり、恐れたりすることが、いかに面白いか。「面白くない人はいない」というのが私の持論だけど、「ゾッキ」はまさにそんな作品です。

空気が固まっているような静かな田舎町に、一瞬だけ都会から竜巻が訪れて、その後また静かな日常に戻る。…という事件が、「裏」ではそのまま取り上げられていて、とても面白い。

「ゾッキ」を見て蒲郡に憧れて来る人はほとんどいないと思うけど(斎藤工が危惧していたような、そういう映画だから)、ロケ現場として使おうと思う監督はこの先ちょいちょい出てくると思う。ロケって迷惑もかけるから、嫌がる町も多いと思うので。

強烈なキャラクター「伴くん」「牧田」の映画のなかの姿とリアルな姿のギャップも面白い。(斎藤工監督のこのキャスティング、最高)

松井玲奈がこの役をやったのも、すごすぎると思ってたけど、メイキングを見ると彼女の根性というか覚悟(芸能に携わる人としての)に感動しますね。

ほんとに…人って面白いな。表と裏、両方見てそう思います。ちなみに、この映画にかぎっては、裏(メイキング)を先に見るのもいいんじゃないかなと思いました。蒲郡のみなさん、すごくいい映画なんだけど、ご当地お菓子がバカ売れするような作品じゃなくてごめんね。(なんで私が謝る)

裏ゾッキ

裏ゾッキ

  • 蒲郡市の皆さん
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