映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ハンナ・オルソン監督「ラスト・クルーズ」3195本目<KINENOTE未掲載>

コロナウイルス感染拡大の初期に横浜に寄港して、大きな話題になったあのダイヤモンド・プリンセス号の中にいた人たちの撮りだめた動画と体験談による、生々しいドキュメンタリーです。これすごく見たかった。2020年が明けて春に向かうころ、ニュースを見ながら、大きくて立派な船に密閉された人たちのことを考えると胸が痛みました。みんな降ろしてあげて、どこか広々としたところに連れて行ってあげられないのか?…とか。

あの時期、まだコロナへの対処の仕方はどんな専門家にもよくわかっていなかった。その中で、乗客も不安だし、乗員はもっと不安だし、対応する人たちも不安だよね。もう船には一生乗らないと思った人も多いだろう。

不安が密閉されているのは嫌だ。というのは外部の野次馬の私の身勝手さかもしれないけど、このドキュメンタリーを撮ってくれた人がいて、あの時のことを語ってくれた当時の乗員・乗客がいたことに感謝します。