映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

バーバラ・ローデン 監督「WANDA ワンダ」3728本目

なるほど。全然”名作”ではないけど、なんかすごくいい。私は、こういうどこかボーっとした人のいい女性が大好きなんだ。なんでだろう?と考えてみたら、私なら肩ひじ張って、バカじゃない振りをしたり、バカだと思われないように努力したり、そういうセコイ計算で渡ってしまう世の中を、素のまま平気で流れていける彼女たちがたくましく健康に見えるから、かも。私がもしワンダと友達だったら、ぱっと見、私が彼女にあれこれ世話を焼いて親切にしているように見えるけど、本当はワンダのほうが肝が据わっている、みたいな関係になりそう。

ワンダがハル・ハートリー監督作品の中のエイドリアン・シェリーに見える。失敗ばっかりしてる女たちに、ろくでもない事件ばかり起こる。きっと影響受けたんだろうな?そういえばエイドリアン・シェリー自身が監督した作品「ウェイトレス」も見たな。彼女も1作だけで若くして亡くなってしまった。なんか、大成できなかった彼女たちがいとしいです。