映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ジャック・ニコルソン監督「黄昏のチャイナタウン」3743本目

「チャイナタウン」の二匹目のどじょうだそうです。どこもチャイナ出てこない・・・と待って47分経過後にやっと現れるチャイナマン、めちゃくちゃ見覚えあると思ったらやっぱりエブエブのジェームズ・ホンですね。前作「チャイナタウン」も、彼の存在と、ジャック・ニコルソンがつぶやく「チャイナタ~ウン」がなければ、全然チャイナタウンと関係ない映画ではありましたが、今作はますますチャイナともタウンとも黄昏とも全然関係なかった。

そして、ジャック・ニコルソンってロマンチストなんだな~~と感じました。ハーヴェイ・カイテルをあんなに泣かさなくてもよさそうなものを。役者としての彼は、台本の行間よりもさらにちょっぴりエモーショナルな人間みが魅力だと思うけど、監督になってしまうと、いままで抑えられていた部分がすこし過剰に思えるほど出てきたような気がします。

とはいえ私はこの80年代的な(公開は1990年らしいけど)アメリカの大人の世界を眺めているのが好きなので、この映画も嫌いじゃないのです。刑事コロンボとかも、画面全体がなんか焦げ茶色で、バーとかお酒とか美女とかが出てきて、すこし悪くてすこし暗い世界。1998年に初めて旅行したニューヨークのホテル周辺のデリカテッセンとかも、同じ焦げ茶色でシビレたなぁ。。。今はもうこんな焦げ茶色の町はないんだろうか。2013年くらいに行ったときにはもう見つけられなかったっけ。

誰かこの雰囲気のある映画をまた作ってくれないだろうか。

黄昏のチャイナタウン (字幕版)

黄昏のチャイナタウン (字幕版)

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