映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

鈴木清順監督「カポネ大いに泣く」3742本目

すごく不思議な、変な映画だった。萩原健一がブルースではなく浪花節をがなりたて、遊女の田中裕子(びっくりするくらい綺麗)がアメリカのドレスを身に着け、沢田研二はあやしげな興行師をやっている。場面場面のつながりが希薄だったり、ストーリーが全然追えなかったりしてすごく変なんだけど、絵がいつもとても美しいし、設定の奇妙さもまた魅力。こんな映画がつくられた時代があったわけです。

鈴木清順って大御所感が強いけど、今敏みたいなハチャメチャで美しく楽しい世界を映画で作りたい人だったのかもしれない。私はそういうの好きだな・・・。