映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

グザヴィエ・ドラン監督「ロリエ・ゴドローと、あの夜のこと」3794本目<KINENOTE未掲載>

他の人の映画感想を見ていたら、グザヴィエ・ドランってそういえば最近新作撮ってないな…と思い、Wikipediaとか見てたらこれを発見しました。カナダのテレビのために作った、約1時間×5本のシリーズもの。

ラルーシュ家というひとつの家庭の1991年(子どもたちはティーンエイジャー)と2019年(みんなもう40代)を描いていて、場面が次々に入れ替わるのが複雑。(イントレランス/クラウドアトラス的)1991年の長男と長女は、2019年とは違う若い俳優たちが演じて、ほかはだいたい30年の時間差にもかかわらず同じ俳優が演じているので、最初は混乱しました。英語だったら多少はストーリーを追う役に立つけど、フランス語なので字幕を追うしかない。そうすると画面の大事なところを見逃すこともある。ということで、2回通してみました。

2回目には、家に戻ってきたミレーユがさまざまな場面で号泣していた意味がわかる。最後の最後に明かされる「あの夜」のこと。それによって不幸というより破滅が訪れる人々の、いま現在の幸せを見て涙に暮れていたんだなぁって。

インタビュー映像で監督は、凝り性すぎて映画を撮ると持ち出しが多くて生活に困る、映画はもうやめてずっとテレビやろうかな、とか言ってました。まぁそれでもいいけど。(ほかの映画好きの人たちと「いいね」しあったりできないのは寂しい)

でもこの番組はちょっとわかりづらかったなぁ。

それとも、私が映画を見るエネルギーのほうが弱ってきたのかな。最近そんなことも感じる。