映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

クエンティン・タランティーノ監督「パルプ・フィクション」3824本目

「タランティーノ見直し特集(個人的に)」2本目。公開当時は、私は映画の人ではなくて音楽の人だったので、バンド仲間とこの映画のことをずいぶん話した気がする。当時は、なんてカッコいい、センスのいい映画なんだろう、と思ってうっとりしながら見た気がする。映画のインプットのほうが多くなるまでは、そんな感じだったかもしれない。

今は、全体構成もだし、細部に至るまでとにかく「どうやったら面白い映画になるか」を徹頭徹尾作り込んだものがこれなんだ、と思う。「ぜったいこれないわ!」という、怖くて笑えないようなジョークが次から次へと続く。2時間半も続く。ジョン・トラボルタが撃たれてから1時間も。

だいぶ何度も見てるので、驚きはないけど、細かい部分のつながりは「そうか、なるほど」と復習する箇所もあります。ハニーバニーは典型的な騒いで撃たれるキャラだけど生き延びてたんだっけ。このあとトラボルタはすぐにやられるけど、映画としてはハッピーエンドだ。タランティーノは壮大な復讐を遂げて大きなカタルシスを得たい監督だと思うけど、それでもなお観客にはハッピーな気持ちで見終えて欲しい、のに違いない。

さて次はジャッキー・ブラウンです。