(あえてヒース・レジャーやその代役については触れないで感想を書いてみます。)
非常に美しく想像力豊かな画面、複雑怪奇なストーリー、不可思議でチャーミングな登場人物たち。
最初はさっぱり訳が分からなかったけど、目が離せません。当然もう一回見ました。
すると不思議、ストーリーがじつに明快に見えてきます。
結局トニーは最後まで悪い奴ってのが、泣ける。
最後まで残るのがDrパルナサスとパーシー、というところは、テリー・ギリアムらしい気がします。いっぱい迷ったり失敗したりするけど、根は悪くない奴。
妖精のようなちっちゃい顔のお嬢ちゃんは、リリー・コールっていうんですね。超スーパーモデルらしいけど、この映画ではみょうに芝居が自然なおかげで、これから一流になろうとしてる新人女優さんかと思ってしまいました。
オースティン・パワーズの「ミニ・ミー」をやったヴァーン・トロイヤーは、この映画でも可愛くお茶目で痛快。
やけにカジュアルな悪魔を演じてるのは、最初ジョン・マルコビッチかと思ったら、トム・ウェイツじゃないですか。
テリー・ギリアム的視覚世界は、技術的にはチープな方がとんがって見える。一番プリミティブなのは、モンティパイソンのつなぎの切り絵で、その後に未来世紀ブラジルがあって、それからこの映画がある。すごいとは思うんだけど、なんというか、こんなにすごくなくてもいいのだ。
総合的にみてこの作品は、難しくしすぎたことが減点されてしまう映画になってしまいました。