映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

野村芳太郎監督「コント55号とミーコの絶体絶命」479本目

1971年作品。
最初にはっとしたのはオープニングのテーマ曲のハイカラさ。音楽誰だろう?と思って見たら中村八大だった。さすが!劇中、由美かおる(21歳だけど今と同じかんじなのが驚異的)がゴーゴークラブで歌う歌もしゃれてますが、歌詞が女工哀史みたいだ。

主人公兄弟(コント55号)の貧しい家を見てると、戦後間もない映画のように見えるけど、70年代になってもふつうの人の生活はこんな感じだったのかも。

二郎さんこのときまだ37歳、欽ちゃん30歳。二郎さんもまだ若いけど、中年男,的な描かれ方です。
それより、がんという病気が疫病神のようにコミカルに演じられていて、これは今はありえないなぁ。

原宿東郷記念館熱海後楽園ホテルのTVCMを兄弟二人で見るという、すごい真っ正直なスポンサー広告が入るのも、なんかすごい。
ビヤガーデンは今とほとんど同じ、ビール会社の提灯とぺこぺこ鳴りそうなテーブルと椅子がずらーっと並んでる。

全体的には、とっても楽しい、当時の文化や世相をよーく映した映画です。
屋台の次郎金ラーメンが一杯100円、35歳の市役所職員の退職金が30数万円、手術代が50万…今の物価は4~5倍かなぁ。

名作ではないかもしれないけど、こういう映画見るの好きです。
…で、「ミーコ」はなんだったの??コンテクストからすると由美かおるのことだと思うけど、役名は秀子。彼女の当時のニックネームがミーコだったんだろうな。