映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

セシル・B・デミル 監督「十戒」820本目

合計4時間、Blu-rayでも2枚組!と聞いてびびっていましたが、説教くさい映画ではなく、「スパルタカス」とか「グラディエーター」のようなドラマチックな歴史活劇、全然眠くならずに最後まで楽しめました。恋愛あり、家族愛あり、権力闘争や欲得あり、宗教にとくに興味がない人でも楽しめる映画なのではないかと思います。

必ずしもエジプトの人には見えないけど、美男美女の派手なコスチュームが素敵です。
最初、ユル・ブリンナーは主役に決まっていると思い込んで見ていたので、チャールトン・ヘストンの方が拾われた子だと気づいて混乱してしまったけど、徐々に救世主らしさを増していく姿がよく演じられていました。

とはいっても、やはり宗教もの。エジプトやその土地の人々が現代のヒーローもの作品でいう"悪者"、ヘブライユダヤ)とその人々の方が"善き者"として描かれているので、当事者が見るとひっかかる部分もあるかもしれません。

火山が噴火してエジプト軍の上に火の粉が降ったり、津波の前触れの海が割れる状態が起こって、それが神話的に語り継がれたのかしら・・・とか思いながら見ました。