映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

黒崎博監督「セカンドバージン」3062本目

史上最低じゃないかな、この作品のKINENOTEでの平均評点。
「太陽の子」が映画版になると聞いて、この監督が過去に何を作ったか見てたらこの作品もありました。「火の魚」はとても良かったのにな。NHKはドラマの続編を映画にするのをやめて、映画版を作る前提でドラマを制作する「スパイの妻」方式を始めたので、これからはその方式が増えるのかも。あたまいい、という気もするけど、どういう建付けになってるのか、いつか誰かにその背景というか内情を教えてほしいなぁ。

さて。この作品はドラマをドキドキしながら見たけど、映画版は突然舞台が東南アジア?と引いた記憶があります。鈴木京香が綺麗で色っぽくて、この年下の相手の男は誰だ?と騒然となったし、その後の長谷川博己の躍進はすごかった。この頃はまだヒョロヒョロしてるけど、どこかヤマっ気と色気があって、彼を見つけてきた人はすごいなぁと思います。

若手の金融界の寵児が違法な取引に手を出して、挽回を焦って裏の世界に流れていく、という話は、今考えるとむしろ妥当過ぎるくらいありそうな話だ。そこまではいいんだけど、映画114分間、テレビの多分5分くらいのラストシーンをひたすら引き延ばした感じでした。実際、続編の作りようがない筋だったのに無理やり作ったような感じですね。実験としてはあまり成功とはいえなかった…。

 「太陽の子」はテレビを見たから映画は見なくていいかな…。