<ネタバレあります>
韓国語のタイトルをそのまま訳した邦題だけど、意味がよくわからなかった。このフレーズ、せりふにありましたか?見逃したかな。
ホン・サンス監督作品は、敬愛するユペールせんぱいつながりで「3人のアンヌ」を見ただけでこれが2本目。監督きっと、トレンチコートをパリッと着こなす大人の女性が好きなのね。
昔1本だけ映画に出て、その後なんらかの事情でアメリカに移住していた女性が、韓国に帰ってくる。妹や甥っ子に会い、幼い頃に住んでいた家へ行き、自分を起用したがっている映画監督と酒を飲む、わずか1泊2日のおはなし。
ここからネタバレなのですが、それは余命宣告を受けた彼女の最後から6か月半くらい前の数日間であり、その時間を時系列順に、リアルに、地味に描いているところが新鮮です。
ただ、オチもヒネリもなくて、本当に翌日の朝までで終わってる。映画館だったらポカンとした顔で出てきたかも。ホン・サンス監督は、映画のなかの監督と同じように、他の人の来るべき死に向きあえずにそのまま目を背けてしまったようにも思えます。二人の監督たちの想像力は、元女優と酒を飲んで話をした翌朝で止まってる。
そんな作品もあるよね、ならいいんだけど、なんでこれが年間10本しかないキネ旬ベストテンに入るのか不思議。
とこで、キネマ旬報は最新号から月刊になったけど、名前はキネマ月報にはならなかったんだな。(ちょっとよかった)