ずっと「せかいのきおく」だと思ってた。江戸の武家の娘が中心の世界なのか。そう言われてみると、半径3メートルくらいの狭い世界が世界のどこにでもある普遍的なもののように思えてくる。
佐藤浩市と寛一郎が厠の中と外で会話してた。息子のほうはまだきれいで品よく整っているけど、これから父や祖父のような野性的な色気が出てくるんだろうか。今の初々しさもいいけど。
しずかな普通の群像劇。が多いのかな、阪本監督の作品は。いつも書いてるけど、私としては「顔」が一番好きで、あの映画にある泥臭さがない作品は少し物足りなく感じてしまう、あの映画がとても好きだから。この映画には、「下」のものの地位をもっと高めたいけど、あまりあからさまにうまくいくように描くとわざとらしいよね、という細やかな教育的配慮みたいなものを勝手に感じ取ってしまう。どうなんだろう、そういう配慮を一切しないで超絶かわいそうな美少女を見て泣く映画より、この映画のほうがいい映画なんだろうか。最近そういう現代人の悩みみたいな嫌ったらしいことを考えてしまう。こういうときは、頭をからっぽにして見られるサスペンスとか怪獣映画(シンとかつかないやつね)とかが見たいな・・・。