映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

2013-04-01から1ヶ月間の記事一覧

橋本一監督「探偵はBARにいる」321本目

タイトルがそそられるけど、ハードボイルドでも本格推理ものでもないし、「濱マイク」みたいなスタイリッシュさもないです。雪の中の探偵というおもしろみ、大泉洋の魅力、ちょっと昭和のにおいのする設定、などが味を出してるけど、全体としてはテレビの週…

廣木隆一監督「機関車先生」320本目

坂口憲二が、剣道でなぜか声を失った小学校教師の役。 その経緯を描いた作品じゃないことはわかるけど、その辺もう少し解説がほしいです。耳が聞こえないのか、声が出ないのか、ということもなかなかわかりません。やさしい、静かな映画だけど、ちょっと薄い…

チャールズ・チャップリン「アルコール夜通し転宅/夜遊び」319本目

1915年作品。30分くらいの短編です。タイトルは、wikiでは「アルコール夜通し転宅」、私が買ったDVDでは「チャップリンの夜遊び」となっています。チャップリン=trampは最初から酔っぱらって千鳥足で、その演技がとても愉快です。加藤茶とか志村けんって、…

チャールズ・チャップリン「醜女の深情」318本目

1914年作品。アメリカ初の長編コメディ映画だそうです。 チャップリンのほかに、「醜女」役にマリー・ドレスラー、ずる賢い美女役にマーベル・ノーランド。 マリーは「あの男性と一緒にいるのは…象?」とか「戦艦のように大きな女」と呼ばれて、目をクマ取っ…

チャールズ・チャップリン「寄席見物」317本目

これも1914年作品。原題は「A Night in the Show」。 初期のドタバタっぷりがよくわかる、ひたすら暴れまくる20数分間。二階の安い席のすみっこまで超満員の劇場の中で、おデブの女優さんを笑ったり、席を間違えたり、美人の隣に座って手を握ったり、楽団の…

チャールズ・チャップリン「お掃除」316本目

1914年作品。 原題は「The Bank」、チャップリンが銀行の掃除係(janitor)になって、汚れたモップを振り回したりしてみんなに迷惑をかける…というサイレントの短編映画です。(25分くらい?)しょっぱなで、ものものしい銀行の金庫のダイヤルを回して回して…

平山秀幸監督「やじきた道中 てれすこ」315本目

2007年作品。いやぁ、全然期待してなかったけど面白かった。 落語の人なつこい感じが全編を通じて流れていて、なじみの寄席でくつろいでいるような気分になりました。有名な俳優さんがたくさん出てるけど、たとえば中村勘三郎と柄本明と小泉今日子は、この映…

ジョセフ・フォン・スタンバーグ監督「モロッコ」314本目

1930年という大昔に作られた映画で、マレーネ・ディートリッヒとゲイリー・クーパーという大スターが出演しています。舞台がモロッコということで、エキゾチックな魅力を期待したたんだけど、エキゾチックなのは地元の人たちだけで、マレーネはいつも通り、…

ウディ・アレン監督「それでも恋するバルセロナ」313本目

BSで放送したのを録画して見たら、途中で終わってた!ので、あわてて借りた。 録画はなぜか吹き替えで、ナレーションが「奥様は魔女だったのです」風だったんだけど、オリジナルはもっとふつうに平坦なナレーションでした。バルセロナってのはそんなに情熱的…

ミシェル・ゴンドリー監督「エターナル・サンシャイン」312本目

すごく面白かった。むかーし予告編を見た気がするけど、いい具合に全部忘れていたので、何も知らずに見ることができて幸せでした。 めちゃくちゃ暗いジム・キャリーとめちゃくちゃ軽いケイト・ウィンスレットが出会ってゆっくり恋に落ちる、という不思議なシ…

テリー・ギリアム監督「ブラザーズ・グリム」311本目

2005年作品。吹き替え版を見てしまった。 テリー・ギリアム作品というので、名作「未来世紀ブラジル」を期待してしまったけど、間違ってました。 マット・デイモンの演技とカメラワークがハリウッド的すぎて、テリー・ギリアムらしさが感じられません。…でも…

デヴィッド・リンチ監督「ストレイト・ストーリー」310本目

「あれに乗って俺に会いにきたのか」「そうだ」 それだけでもう全部チャラだ。何もいらない。デビッドリンチ作品だということは、言われなければわからないほど、晩年の新藤兼人作品(午後の遺言状のことですね)かなにかのように達観して静かな世界です。 ほ…