映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

クロード・シャブロル 監督「主婦マリーがしたこと」1309本目

1989年のフランス映画。若かりし頃のイザベル・ユペールが見たくて借りてみた。
このとき35歳か。
娼婦役の美しい女優さんの名前はマリー・トランティニャン。ということは、ジャンルイの・・・娘でした。
お父さんに似た美形ですが、なんとわずか41歳のときに亡くなっていたのね。

ユペール演じる主婦マリーが、戦時下の不自由に甘んじることなく、あくまでもわがままに楽しいことを追い求めて手を汚していくストーリーで、(こりゃー調子に乗ってるなー、知らないうちに敵を作ってるわー)と思っていたら、最後に雷めいた天罰のように、鉄槌が下されます。

これって実話をベースにしてるって本当?
ユペールの自分勝手にしか見えない(それくらい上手い)演技で、少しは観客も彼女の受難に共感できそうなものだけど、いやどうして、誰にもある虚栄心だし、戦時中にこんな無茶をしてみたくなる人の気持ちのほうにむしろ共感してしまうので、やっぱりなんともいえない気持ちになります。

日本ではマイナーな作品なんでしょうね、DVDはコレクターズアイテムになってしまっているようです。