2004年にアメリカで公開されたドキュメンタリー。
フィラデルフィア管弦楽団のさまざまな楽器の奏者たちが、自分にとって音楽とは何か、どういう音楽人生を送っているか − オーケストラの中で、外で、− について、おずおずと語り始めます。私は音楽が大好き。よい音楽はジャンルを問わず好き。ただしクラシック音楽は、嫌いじゃないけど、ちゃんと聴こうとしたことが一度もないという、どっちかというとクラシックを避けてきた人間です。そんな人に(私に)ぴったりの映画です!
音楽の楽しみ方はいろいろ。コンサートホールで正装して聴くのも、もちろん素晴らしい!でもこの楽団の人たちは、自分の楽器を持って外にガンガン出ていきます。カフェで歌い、街角でアコーディオンを弾き、サルサバーでトロンボーンを吹き、パブでフィドルを奏で・・・・音楽ってのは楽しむものだよね、音楽って本当に楽しいよね!・・・と、気持ちが高揚してきます。
どんな曲をどんな楽器で演奏しても、演奏者の性格は出ます(ただし、演奏してないときの性格とは違うことがある、とこの映画でも言ってますが)。いろんな国から来た老若男女たちの演奏は、どんなすてきなミックスなんでしょうね。
楽団員たちのルックスは・・・なんとなく1970年代とかの昔の映画を見てるみたい。古き良き頃のアメリカの人たちみたい・・・でも彼らのルックスはプログラマーの人たちにも似てる、と思う。どう見られるかより、もっと自分を雄弁に表現できるものをしっかり持っているから、流行を追う必要がない、満ち足りた心を持った人たち、という気がします。
このDVDだいぶ前に人からいただいて、なかなかじっくり見ようとしてなかったんだけど、とても素敵なドキュメンタリーでした。劇場の重たそうな黒赤が裏表になってる緞帳、ざわざわと緊張した感じ、そういうものへのトキメキを思い出しました。
この映画90分間なんだけど、なんかすごーく長く感じます。音楽(クラシックに限りません)があちこちに入っていて、そのたびに一瞬聞き入ってしまうので、そこで毎回毎回時間を忘れるから、かな〜?
私はずいぶん雑多なノイズの中で暮らしてるなぁ、美しいアコースティック楽器の響きとかもうしばらく聴いてない・・・。うちの安いオーディオ機器でなにか鳴らすより、ライブのオーケストラを聴きに行きたいな・・・とか思わせる作品でした。以上。