見たかった映画だし、しずかに流れる自然な時間がよかったし、最後は自分の生きてきたことに想いを馳せてじんわりと泣けたんだけど、なぜか途中で何度も見るのを止めそうになった。うたた寝したり退屈してしまったり。
樹木希林の演技はほんとに素晴らしい。いくらボケてもその人はその人で、ボケたということ以外は何も変わらない。ということをちゃんと伝えてくれた。
役所広司もいいし、宮崎あおいはいつも通りだけど、樹木希林と彼女以外の役者さんたちの演技の「場」が合ってないかんじがして、なんとも落ち着かない。もっと、自分の色を消せればいいのかな?
いい映画なのに、何の違和感なんだろう。空気感がいいのでゆったりと浸ろうとしていると、台詞が早口で知的でひねりがあって、そのギャップにだんだん疲れてくるのかな。
現代の都会の人間が”ほっこり”するための桃源郷映画じゃないからかな。
とにかく樹木希林をずっと見ていたい、もっと何時間も何日も見ていたいと思いました。