映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

デイヴィッド・フィンチャー「ファイトクラブ」770本目

もっとシリアスというかスクエアな映画なのかと予想してたけど、すごくクールな映画だった。
息もつかせない139分間。
これは評価されて当然だ。

1999年には、私はシアトルのスタバで嬉しそうにラテを飲んで、北欧家具の店に行ってうっとりしたりしてました。平和大使にでもなったような気持ちで、口喧嘩もせずにみんなと仲良くしていました。
そういう人たちの、奥底に隠れてる何かにピキピキと来たんだろうな。この映画は。

明日死ぬなら今日何をするか?自分に何をさせてやらなければいけないか?
というテーマに、余命わずかな病気とかにかこつけたりせずに、真っ向からぶつかっていった映画、かと思ったら終盤で大どんでん返しが。
(これ必要?スリリングではあるけど、こういうサイコな感じではない終わり方もありえたのでは。)

それにしても、ブラッドピットの大きな悪ガキっぷり。堂に入ったふてぶてしさが素敵です。
エドワードノートンのほうがふてぶてしい役なのかと思ったら、スマートなサラリーマン、でもなく、すばらしく深く狂ったヤバいサラリーマンでした。
ヘレナボナムカーターは、あまりにも予想通りな役ではあります。

たっぷり楽しめました。映画ってやっぱりこうだよね。