1962年の作品。
一言でいうと、弁護士が西部で銃に対して法律を説く映画。かな。いやもっと深い。
<ネタバレ中心>
けっきょく、法律とか議論とかでは暴力に勝てないってことなのか。
それとも、本当にリバティ・バランスを射った人が「忘れられた人々」あるいは「時代遅れの人」として埋もれて、本当なら殺されていた人がまんまとのし上がることの悲哀が描きたかったのか。
ジェームズ・スチュアート(都会派好青年の典型)が、いつものキャラクター通りまっすぐな善人なので、法律家の側に対する反感が生まれにくい仕組みになっています。はるばる葬儀に来たこと。一旦はインタビューを断っておきながら、結局すべてを語ったこと。最後に妻と、「ここで暮らしたいね」と話すこと。・・・やっぱりこの映画は「人情もの」なんだろうな。
ジョン・ウェイン(西武の男の典型)が恋のライバルの命と名誉を助ける。女の扱いは乱暴だけど、彼はめちゃくちゃ情の厚い男なわけです。彼女が都会派を選んだことで、彼はすっかり投げやりになってしまいます。都会派夫妻がすっかり老け込んで、副大統領候補にまで上り詰めるまでの間、存命だったことだけはわかるけど、その後の彼のことは一切語られません。ただ、彼を弔う家族はなく、棺は一番簡素なもの。あんなに大男だったのに。あんなに強かったのに。
なんか、下町の工場主vsIT社長、に似てる感じもするな。「腕一本でここまでやって来たんだ」という職人が技術をコンピューターに奪われて・・・(続く)
代議士夫妻は、彼のことや西部の町での暮らし、妻が字が読めなかった頃のこととか、普段はほとんど忘れて忙しく暮らしてるんだろうね。ふたたびその町を訪れたことで、これからの人生に一番大切なことに気づいたんだとしたら、時代遅れの西部の人たちの「勝ち」なのかもしれません。
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