映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ロドニー・アッシャー 監督「ROOM237」2504本目

すごくKINENOTEの評価が低いけど、シャイニングのマニアが作った分析映画なら、見ないわけにはいきません。なんかもうね、なにかを掘り下げまくる、妄想しまくる、ということ自体を楽しみたいだけなのかもしれない。自分が妄想するのもまあ楽しいけど、妄想しまくってる人の話を聞くのもなかなか面白いのです。

実際見てみたら、実に実にトンデモな、明後日の方向を向いた妄想を何人もの人たちが繰り広げます。「なるほど!」とか「鋭い!」とか「ゾッとする!」というものは一つもありませんw ドキュメンタリーは娯楽だ。

実は「ツイン・ピークス」マニアたちのFacebookグループに入ってて、たまーに見たりするのですが(長い英文のが多くてなかなか重い)、それと近い妄想に妄想を上塗りして言う感じがありますね。怖くない場面なら何度でも繰り返し、繰り返し見られるからな。

こういうトンデモ妄想って、日本の人は映画ではここまでやらないですよね。政府や近隣諸国の陰謀説を考えるのは人気だけど。アメリカ人ってあんまりオタクっぽくないイメージがあるけど、こういう風に妄想するんだーと思いながら見るのも楽しい。

強いて言えば、キューブリックが、モデルとなったホテルのあるコロラド州について3か月かけて調査したことは事実のよう(に語られている)で、先住民の土地の上に建ってるホテルだと映画の中で言ってることから、白人による先住民の迫害をひとつのモチーフにしてる可能性はある(それが映画全体を占めてるとまでは思わない)。ダニーがアポロって書いたセーターを着てるのも、なにかの含みかもしれない(皮肉かギャグかも)。時間がさかのぼってるようなところがあるのもなにかありそう。でも全体がまったく見えてこないよなぁ。凡人たちが天才的な頭脳に生半可な気持ちで挑んでも無理なのかも…。

ところでダニー坊やの現在は、生物の先生ですってね。双子役の子たちとピーナッツバターサンドを食べたりしてたとインタビューで語ってましたw

ROOM237 (字幕版)

ROOM237 (字幕版)

  • 発売日: 2017/07/14
  • メディア: Prime Video