映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

HIKARI監督「37セカンズ」2874本目

<一部ネタバレあり>

ここはブルー・オーシャンだ。

障がい者というだけでなく、エロスで、しかも女の子だ。こんなの作れるの、バリバラ(NHKの「バリアフリー・バラエティー」)関係者だけだ。というか、NHKやNHKが噛んでるサンダンス関係者くらいだろう。というのはやっぱり、興味津々でもどこまで踏み込んでいいかわからずためらってしまうから。傷つけたくないと思うと、引いてしまいがち。でも、そうやって誰も近づかなかったから、まだ誰も見たことがない。真っ青なブルー・オーシャン。(一生飛び込もうとしない人もいっぱいいるだろうけど)

(儲かる・儲からないって話じゃないけどマーケティング用語を使ってしまった)

監督のHIKARIのことって映画の公式サイトを見てもよくわからないけど、ググるとロング・インタビューもある。監督は女性、しかも外国で「思い切ってやること」を叩きこまれた日本人女性だった。女性でなければこの子を脱がせる勇気はなかっただろうな。そして、映画に出てくる大人の女性は、一人で堂々と生きているのは彼女自身の分身のように見える。

しかし、タイにまで行っちゃうなんて!区役所行って戸籍謄本とってすぐパスポート申請して、おじさんがお金出してフライト取ってくれて…とか、頭の中を納得させるために考えてしまったじゃないですか。

これ、こんな映画だったんだなぁ。ちょうど1年前に公開されて、映画館に行こうか迷った作品だった。すごーく評価点が高いのは、ブルーオーシャンでほとんどの人にとってまったく新しい、という部分が加味されてるというか、かなりの割合かもしれない。ストーリーはシンプルで、23歳の過保護な母を持つ健常者だったら成り立たない。でもいい映画でした。みんなユマのことが大好きになるんじゃないかな…。