映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

テレンス・ヤング監督「暗くなるまで待って」3064本目

大昔にテレビで見たような記憶もあるけど、見直してみました。アイデアがいいし、タイトルもセンスいいですよね。

人の命をなんとも思わない極悪人1人と、ちょっとした詐欺師2人だったのが、だんだん”キュウソネコカミ”状況に追い込まれて迫力と危険度が増大していくので、スリルあります。オードリー・ヘップバーンの、か弱いのにがんばる演技も素敵。

細かいことをいうと、いくらなんでも彼女がアンバランスに強すぎるのと、靴音を聞き分けられるのに同一人物の声がわからないのって不思議。今ならもう少し、本物の視覚障碍者によく取材して、健常者の思いつかないすんごいテクニックで生き延びてほしいな、なんて思ったりして…。”目が見えない”の中には、光の有無がほんの少しはわかる人もいるので、その場合は手探りで電灯の位置を探さないし冷蔵庫が開いてることはわかるし…。この時代は”目が見えない”イコール光もわからない完全な暗闇ってイメージだったのかな。

それ以前に、健常者には聞き取れない悪意や嘘をかなり見抜ける、って言われちゃったりしたら、作品が成立しないかもしれないけど。

スピードと構成で、見てる間はそんなことも気にならない歴史的作品でした。これ舞台も面白いだろうな~。

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