映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

リチャード・クワイン 監督「パリで一緒に」3434本目

見始めるとすぐ、冒頭がすごく豪華。パリの高級ホテルのプールサイドで、おっさんたちが美女にかしづかれている。エキストラがものすごく多い。やたらとお金がかかってる。石油王の道楽か?利益が出すぎた会社が税金対策のために作ったのか?

この頃のアメリカ人のフランスに対する憧れってすごいですね。「パリ」がつく有名な映画だけで何本あるだろう?アメリカと違うのはわかるけど、何がそんなに大人気だったのか。今アメリカでパリに憧れてる人なんていないんじゃないのかしら?

脚本家が主役の映画って、製作者が期待するほど、見てる人は楽しめないのだ。玄人受けなのだ。一番のスペクタクルはたぶん頭の中の出来事だから、それが映画になってからの方が面白い。

映画全体の印象は・・・なぜか長澤まさみが浮かんできた。「コンフィデンスマン」みたいに、リアルじゃない豪華さをわざとらしく楽しむ映画。それにしては、ほとんど二人だけの間でストーリーが進むので(劇中映画の中でさえ)、こんなに豪華なのに、脚本をカンヅメで書いているホテルの一室にずっと閉じこもってる閉塞感が続く。

結末は最初からわかってるような映画だけど、オードリー・ヘップバーンはとにかく今回も可愛くて美しい。こんな心の人間に生まれたかった・・・(見た目以前の心持ちが違いすぎる)

遊園地に行って一番人気のアトラクションに入ったら、めまぐるしくて疲れちゃった・・・というふうな映画でした。もっと若かったらするっと入り込んで楽しめたかなぁ~

パリで一緒に

パリで一緒に

  • ウィリアム・ホールデン
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