映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

マーク・フランシス 監督「おいしいコーヒーの真実」3175本目

コーヒーが好きだけどあまりお金を使いたくない私は、カフェに行くことは少なくて、最近は生豆を買って家で焙煎している。生豆って産地に関わらず安くて(※高級豆は産地にかかわらずもともと高いけど)、1kgの小口で仕入れても単価1000円くらいのものも多い。100gで100円、8杯取ると1杯12.5円。店で飲んだり焙煎豆を買ってきて家で飲むコーヒーと生産者価格との差は、国内に入ってからもだいぶ乗っかってるってことだ。

今ちょうど、すごく美味しいエチオピア豆が家にあるので、この作品は人ごとではない。この美味しい豆を作ってる人たちの子どもに、学校に行ってほしい。元気に賢く育ってずっと美味しい豆を作り続けてほしい。私は生豆の価格が倍になっても、時間がある限り家で焙煎して、好きなだけコーヒーを飲む。材料費が倍でも大きな違いにならない程度だ。カフェでコーヒーを飲む人にとっても、カフェ経営会社のほうである程度は吸収できる差額なんじゃないか?そのまま載せても300円が330円程度。それに、スタバみたいにイメージが大事な企業が動かないわけないと思ったら、今はかなりフェアトレードに力を入れてるみたい。当然。

コーヒーはダイヤモンドと違って農産物だから、年間の産出量を誰かが調整できるわけじゃない。だから先物取引で扱われ、投機というかバクチの対象にもなりうる。でも自分たちで作れないものを買っているからには、コーヒーの大消費国たちが、売り手が決めた価格でしか豆を買えない日が来るかもしれない。来てもいいのだ。コーヒーがぜいたく品になって、ファミレスで飲み放題を中止してもいい。誰も飲まないまま濃くなったコーヒーを捨てるために、コーヒー豆を栽培してるわけじゃないのだ。

この間、小さいコーヒーの苗を買ったけど、実を付けるまで5年って言ってたな。それまで枯らさずに育てられるかな…。コーヒーを焙煎したり、挽いたり、淹れて飲んだりする時間は、私にとってとても大切なので、これからもずっとお世話になります。

でも1つだけ不思議なのは、コーヒー豆の最大の生産地は中南米なのに、なぜ割合の小さいエチオピアだけを取り上げたのか、ということ。テーマはアフリカなんだよね、コーヒーというより。コーヒーの産地を語るなら、中南米やインドネシア、ベトナムについてもカバーして欲しかったので、この映画で語れる部分は多分ごくわずかじゃないかなと思う。

おいしいコーヒーの真実

おいしいコーヒーの真実

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