群像劇なのかな。
急なフライトの欠航で列車にチケットを振り替えてくれた秘書に、ラブレターのような手紙を書いては消している、老齢の博士。
なにか事情があって、わがままな老婦人の世話をしながら乗っている若者。彼女は去年亡くなった将軍の妻で、若者は”兵役で”彼女に付き添ってるという。やたらと若い女の子に声をかけまくってる。どういう事情なんだろう。
スコットランドなまりの強い、「セルティック」のグリーンのユニフォームを着た元気な3人組。…そうだ、見たことあると思った。一番ウルサイ男の子、「SWEET SIXTEEN」のマーティン・コムストンだ。…ここで今ごろ、この映画がオムニバスだと気づいた。そうか老紳士のチケットはエルマンノ・オルミ、わがままな老婦人はアッバス・キアロスタミ、そしてセルティックの若者たちはケン・ローチだからマーティン・コムストンが出てくるんだな。(←普通ここまで知った上で見る映画だ)
いやー、私の大好きな3監督じゃないですか。ヨーロッパの列車の中の人たちの人生。それぞれに深い思いがあって、いかんともしがたい事情があって。多分、私たちがこの町で列車に乗り合わせる人たちにも、同じように深い思いや事情があるんだよな。気にしないだけで…。
私もまたいつか旅に出て、こんな人たちと知り合って、ひとしきりお話をしてみたい…。映画って旅だよな、ほんとに。