ヴェンダース監督の長編第一作らしい。流してみてると流れてしまうけど、よく見ると変な映画だ。
ゴールキーパーは審判にいちゃもんをつけすぎてレッドカード退場、スタジアムが交通不便な場所にあったので地元のホテルに泊まって、映画館に行ったり、その辺で拾った女性をホテルへ誘う。その後映画館のモギリの女性のアパートへ行って、じゃれているうちにどうやら彼女を絞殺してしまったらしい。先に首にひもをかけてきたのは女のほうだけど、彼女を映画館からずっとストーカーみたいに追ってたのはゴールキーパーのほうだ。
コーヒーカップの指紋を拭き取ったりして知り合いの住む町へ。またホテルにチェックインして、宿の女と話すようになるけど、彼女は部屋には入れてくれない。
新聞を読みたがるのは、サッカーの結果が気になるのか、殺人事件のことが気になるのか。その町では子どもが消えた事件のことを誰もが話してる。
不条理劇というほかないなぁ。淡々と日常的で、犯罪映画じゃないみたいな不思議な面白さがあるけど、ヴェンダース監督作品って印象が薄い。これより後に小津に出会ったと何かで読んだし、その後のさまざまな影響で彼の映画は形作られてきたのかもしれません。
この原作・脚本のミヒャエル・ハントケは2019年のノーベル文学賞受賞者だ。「ベルリン、天使の詩」も彼の脚本。ヴェンダースもだいぶ見てきたし、一度この人の本も読んでみよう。