映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

アンドリュー・レヴィタス 監督「MINAMATA-ミナマタ-」3782本目

この映画ぜったい見たことあると思うんだけど、記録がない。機内とかで見てそのまま忘れてたのか…。美波も加瀬亮も浅野忠信も覚えてる、もちろんジョニー・デップと真田広之と國村隼も。家が燃えたときショックだったのも、「嘆きのピエタ」のような入浴の写真のことも覚えてる。今回は、坂本龍一っぽい音楽だなと思いながら聞いていたら、やっぱりそうだった。彼の音楽が入ると、映画が風景画みたいにしずまっていって、普遍的なものになる、気がする。

今さら感想を書くのは難しいけど、これを水俣だけの問題としてではなく、ひとつの鉱害事件として見て、この映画のエンドロールみたいに、世界中で起こり続ける人災について考え続けるきっかけとするべきなのかな、と思います。私自身、小さい頃は恐れおののいたけど他の事件に紛れてしまいそうになった水俣を、ハリウッドが映画化して世界に発信してくれたことの意義は大きいはず。