映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ロブ・マーシャル監督「SAYURI」202本目

2005年アメリカ作品。

英語でやる映画なんだから、ハリウッドの流儀を理解して、英語で演技ができる俳優を使うことは無理もない。むしろ問題は美術とか時代考証じゃないかな・・・。この映画の美術監督ジョン・マイヤーが担当した他の作品はX-MENホーンテッドマンション、シカゴ・・・。音楽監督ジョン・ウィリアムズの他の作品はスターウォーズ、ハリポタ・・・。

21世紀にまさかここまでフジヤマ・ゲイシャな、日本を大きく誤解させる映画がいけしゃあしゃあとハリウッドで作られたなんてアンビリーバブル!と怒ってみようかと思ったけど、よく考えてみたら日本人が経営してるBenihanaレストランでは、ゲイシャと似ても似つかないゲイシャタンブラーでドリンクを出し続けてるな。都合のいいイメージを売って日銭を稼ぐのをやめたほうがいいのは、日本人自身か・・・。

このキャットファイトは見たことがある・・・あっ、「極道の妻たち」の岩下志麻とかたせ梨乃だ。ああ、日本はずっと海外に誤ったイメージを提供し続けていたのですね。

かのBENIHANAに以前アメリカ生活が長い日本人と行ったときのこと。
チャッチャカとナイフを鳴らしながら調子よく英語で肉を焼くシェフが、客が日本人だとわかった途端にナイフを下して「・・・日本のどちらですか?」と普通の日本人シェフに戻った瞬間。

そんな瞬間を思い出した映画でした。
原作と、その元になった情報提供者との論争についてもネットで見てみると良いと思います。