映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ハリー・O・ホイト監督「ロスト・ワールド」523本目

1925年のサイレント映画
90年近く前のSF映画だけど、未来ものではなくて、「恐竜は生きていた」という設定。
ジュラシックパークのように「残っていた細胞から、絶滅した生物を復活させた」のではありません。
チャップリンやロイドみたいな、顔を白く塗った俳優さんたちが、肩まわりがぴったりとした昔のスーツを着て、恐竜と出会うというのが、なんとも不思議な違和感。

アマゾン川を下る舟や、ヒョウやニシキヘビや猿やナマケモノ…けっこう危険なロケも敢行しています。
そして、特撮!
技術はいまのCGと比べようもないですが、元のフィルムの画質が白黒でかなり荒いので、昔の記録映画を見てるようでもあります。…恐竜のシーンは、コマ撮りアニメなわけですが、もう少しコマ数が多ければな…。なんてことをみんな考えて、その後どんどん技術が進歩してきたのですね、きっと。

恐竜をロンドンに連れ帰った後に、逃げ出して町を闊歩する恐竜と逃げ惑う人々の絵が印象的。とっても荒いんだけど、キングコングゴジラでもほぼ同じ場面を見たなぁ。。

いやー貴重なものを見ました。