<結末にふれています、他の映画も>
公開されてすぐ見に行った友達が絶賛してたやつ。久々のヨーロッパ旅行で、長いフライトの中で早速見ました。「ブランカニエベス」はブラックなひねりのある映画だったけど、これは子どもが真剣に見てもいい映画だと思います。スペインの長編アニメーション映画が世界的にメジャーになること自体が、なんか嬉しい。
ドッグもロボットくんも、私達と同じように寂しがりやで、なんとも愛嬌があって、普通で、すぐに共感します。やっとできた親友どうし、ずっと一緒にいたかったのに、どうにもならない事情で引き裂かれてしまう…
そこからはずっと切ないのですが、悪いひとたちも悪すぎず、かわいそうな人たちもかわいそうすぎず、親切な人たちのささやかな好意で、ちょっとほっこりしながら、寂しさも抱えたまま、それでも明日もやっていく…というストーリー。
「アフター・ヤン」をまず思い出しましたね。動かなくなったロボットの視覚記憶をたどるやつ。「クララとお日さま」(映画化されてないけど)の続編みたいな感じもしました。そして、ネタバレと言われてしまうかもしれないけど、最後は「ラ・ラ・ランド」なのだ。お互いに、これから先、まあまあ幸せに暮らしていこう。…といっても、この作品では、ふたりの切なさの質は違うけどね。単純なハッピーエンドにならないところが、この監督の持ち味なんだろうし、最近の風潮でもあると思います。
細部まで全部やさしくて丁寧な、切ないけどとてもあたたかい気持ちになれる作品でした。賞を取るかもしれないし、これからも世界中の子どもたちと大人たちにすっと見られる作品だと思います。