映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

「シークレット・スーパースター」2517本目

アーミル・カーンがめっちゃしょうもないヨゴレ役!

インドではヒンドゥ教8割に対し、イスラム教徒は13%程度というマイノリティです。この間調べて、インドの三大カーンのうちアーミルとシャー・ルクはムスリムだと知って改めて見てみると、そうかインドのムスリムはサウジアラビアに働きに出たりするんだ、とか、そうは言っても黒いブルカを着てるインドの人ってあんまり見たことないな、大人の女性でも普段はアラビア半島の人ほどガードの堅い服装ではなさそうだなーとか、新しい気づきがあります。

<以下ネタバレあり>

この映画の結末はそうとう勇気のある結末。かなり思い切った映画でも、 少なくとも表面的には親を立ててコミュニティから外れないように暮らしていく、っていう結論になるのが多いのに、気弱で優しいお母さんまさかの離婚へ!これを見たインドの、あるいは近隣の国々のムスリムの人たちは何を思うだろう。特にお父さんたちは。こんな思い切った映画を製作できるのはやっぱり、あのアーミル・カーンだからですよね。

インド映画の大作には、つまらないものは一つもないんじゃないだろうか?ボリウッドと呼ばれる進んだ映画の集積地・消費地で多数作られているうち、日本に入ってくるのはかなり絞られてるだろうし。

三大カーン、誰か大統領にならないかなぁ。そしたらパラダイムシフトがとうとう起こって、インドが一皮むけた本当にすごい先進国になるのに。(断言)

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  • 発売日: 2020/04/08
  • メディア: DVD