映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ジャン=ピエール・ダルデンヌ/リュック・ダルデンヌ監督「トリとロキタ」 3715本目

救いとオチがないダルデンヌ兄弟の監督作品のなかでも、これまた救いのない映画でしたね・・・。(←これネタバレでしょうか?)

感想を書こうにも、言葉がない。こんな現実が実際に存在する。日本にはこれほど確立したマリファナの流通がないと思うので、同じことは起こってないと思うけど、違う形で恐ろしく悲惨なことは毎日起こり続けてる。

日本に逃げてきてずっと難民申請をして、30年も住み続けていた人が、あきらめて祖国に帰ったあと、すぐに亡くなったらしい。どういう状況だったんだろう。なぜ日本はその人を受け入れようとしなかったのか。

「トー横キッズ」ってなんとなくポップな呼び方だけど、彼女たちも誰からも守られずに身をさらし続けてる。彼女たちがそこに至ったのには背景がある。

・・・気になる団体に片っ端から顔を出して、ボランティアをやったりしてるけど、私ごときに社会を変えられるわけもなく、ただ無力感を毎日かみしめてるだけなんだよな。

せめて、自分から半径10メートルの中にいる人たちを、いつも大切にしよう。足りないものを分け合って、誰も一人にしないように。

トリとロキタ

トリとロキタ

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