映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

2013-03-01から1ヶ月間の記事一覧

園子温監督「夢の中へ」281本目

2005年作品。それほど売れてない劇団っていう、どっか寂しい切ない場所にいる、優しいけどちょっとゆるい男たち女たちが、誰が性病を移しただの何だの言いながら、くっついたり離れたりしてる。TVに出始めた俳優「鈴木ムツゴロウ」が酔っぱらって帰ってきた…

イングマール・ベルイマン監督「野いちご」278本目

1957年作品。「沈黙」は、成熟した女性たちと小さい少年が汗にまみれて画面いっぱいに広がるのが、あまりに濃密すぎて参ったのですが、この映画の画面も濃密です。音楽がほとんどなく、つぶやくくらいのボリュームで会話している人たちの息までじっとり聞こ…

平野勝之監督「監督失格」277本目

2011年作品。半分くらいまで見て、だいたいそのあとに何が起こるかがわかってきて、怖くてその先が見られなくなりました。でもがんばって見た。すごく親しい人や愛する人の死は、自分の一部を持っていってしまう。 取り戻すのに5年も10年もかかる。20年たっ…

ジョン・ムーア監督「ダイ・ハード ラスト・デイ」276本目

レイトショー見に行ってきましたー。やっと見に行けました。昔の映画とか渋いものしか見てないような私ですが、ダイハードは多分全部見てます。 今回も期待を裏切らない、大娯楽作品でした。カラオケ行くか?飲み放題行くか?それともダイハード?今回、ブル…

ウディ・アレン監督「ラジオ・デイズ」275本目

1987年作品。これは面白い。そして幸せな気持ちになれます。 ウディ・アレンって自分としては微妙(合わないかな?)だと思ってたけど、これは都会的なユーモアたっぷりの、夢のあるいい映画でした。ちょっと昔が舞台なので、時代劇と同じでむしろ古さを感じ…

スタンリー・ドーネン監督「シャレード」274本目

1963年作品。舞台はフランスだけどアメリカ映画。この映画、去年たしか見た記憶があるんだけど、そのときはなぜかあまり面白いと思わず、感想も書かなかったようです。今回見返してみて、面白さに目覚めました。 1回目はそれほど真剣に見なかったようで、明…

山中貞雄監督「人情紙風船」273本目

1937年作品。ああ、切ないお話だった。いい映画だった。 江戸の長屋の人情っていいねぇ。大家さんと店子たちのつながりとか。でも、うまいことやって金儲けをするやつらがいる一方で、馬鹿正直や意地っ張りでちっとも儲からないやつらは、貧しさと打ち砕かれ…

中平康監督「狂った果実」272本目

1956年作品。面白かった。 “太陽族”っていうのは、何だったんでしょう? 裕福で育ちもいい若者たちが、お坊ちゃんらしく気ままに贅沢に遊び、おそらくその後はみんな落ち着いて会社の重役や一流俳優になったりしたのだろうな、と思います。本当に踏み外して…

春原政久監督「三等重役」271本目

1952年作品。会社映画ですが、社長を演じるのは河村黎吉という役者さん。この映画が遺作だそうです。森繁久彌はまだ人事課長です。人気小説の映画化だそうですが、かなり面白かった。エピソードのひとつひとつが、現実にはここまではやらないだろう!という…

エドワード・サザーランド監督「ローレル&ハーディの天国二人道中」270本目

1939年作品。コンピレーション的DVDセットを買ったら入ってたので見ました。 これまで彼らのことは知りませんでした・・・。おデブでワガママなハーディと、チビで小心者のローレルのドジな二人組が、どこへ行っても騒動を引き起こす・・・というドタバタ喜…