日本映画(80年代まで)
なんとなく、思わせぶりなタイトル。主人公は女以外は欲しいものをだいたい何でも持っていることに退屈して、シニカルになっているようなお坊ちゃん。 そんな青年の胸の中に純粋な思いもあるんだと思うけど、危機に際して魂を揺さぶられてる人とかの映画のほ…
とても可愛い映画でした。犯罪映画(笑)なんだけど、ジュブナイル小説みたいで少年少女に見せたくなる。 小泉今日子は確かに可愛いんだけど、彼女のファンだからじゃなく、この頃のキョンキョンにしかない、身勝手で無邪気な女の子らしさが、なんとも言えず…
1985年の作品。 松田優作が若い。けど小林薫は変わらないなぁ。 藤谷美和子は、まさにはまり役。華やいだところのある穏やかな美人だけど、どこか、感受性が強くて予想がつかないところがある。この女性を好きになった男性は、他の女性に興味が持てなくなる…
1988年の作品。30年も前だ。 この映画、当時も見た覚えがある。桂枝雀が大好きだったからかなぁ。 改めて数十年ぶりに見てみると、松田洋治の演技は確かに天才的。才気走った少年という役にぴったりですね。セクシーで鋭くて悪い大人の男の役をやるようにな…
1929年の作品。昭和でいうと4年です。すごいフィルムが残ってたなぁ! 今から90年前。突貫小僧さん生きてたら90いくつ、当時の彼から見てひいおじいさんより上くらい。 これずっと見たかったのです。TSUTAYAプレミアム、ばんざい。 何がすごいって、一般家庭…
1986年の作品。 たまたまだけど、「クーリンチェ少年殺人事件」を見たばかりなので興味深いです。 どちらも、大人の知り得ない少年少女たちの狭くてドロドロした世界の中で起こった出来事で、「ハニー」と「猛」が重なって見えます。演技経験がすくない少年…
激情型(劇場型?)姉妹の悲恋物語にもできる題材だと思うんだけど、とても硬質な法廷ドラマとなっています。 新藤兼人の脚本が締まってますが、彼自身が監督したら、多分もう少しほろりとくるドラマになったんじゃないかな? 年齢を経た男女でなく、あえて2…
1988年の作品。30年も前か。 昔みたけど、今「直木賞受賞記念・ひとり佐藤正午ブーム」の真っ最中で再び見てみました。DVDのレンタルがないので、今日も太古のVHS機器、稼働中。ものっすごく昭和の匂い(バイタリス、とか)がプンプンする、かぐわしい映画で…
この映画もずーーーっと見たかった。 商品化されたことはないと思ってたので、上映情報をずっと追っかけてたんだけど、DVDが存在することを知ったので借りてきました。やっと見られたーーー。先日見た「二十四時間の情事」は、この映画の岡田英次を見初めた…
Amazonプライムで昭和の映画を見続ける私。戦後のエネルギーもいいけど、昭和の女優さんたちがワルぶって粋がってる演技が可愛い。 (cf.「不良少女とよばれて」等、大映ドラマシリーズ) この映画のかたせ梨乃と名取裕子は本当に綺麗ですね。違うタイプの美…
1959年の日本映画。つまり昭和でいうと34年か。終戦が20年だから、さすがに焼け野原などはもうないけど、高度成長期というにはまだどこかのんびりした生活ぶりです。 でも、ぱっと見いまとそう変わらないのに、博士のお宅に、書生とその弟たちが靴磨きなどし…
1955年の作品。まだ「戦後」っていう感じが残ってたんじゃないかな。 街道を歩いて江戸へ向かうさまざまな境遇や年齢の男女の、ロードムービー、とも言えそう。 めいめい、事情を抱えていることが明らかになっていきます。気ままな旅なんかじゃありません。 …
1966年の作品。 地味な白黒の画面だけど、アニメーションが混じったりクロマキーといった新技術がさらっと使われていたりして、なかなかオシャレで小粋。主人公は小林桂樹ですからとことん平凡な一般人で、その人が書くから日常が面白い。岡本喜八監督って、…
1970年の作品。 東京都写真美術館リニューアルのこけら落としで、杉本博司の「ロスト・ヒューマン展」というのをやっていて、その中に、廃墟になった映画館でさまざまな映画を映写して、その間スチルカメラを開けっぱなしで撮影した「劇場」シリーズの連作が…
1964年作品。田中絹代の娘が乙羽信子、その娘が岡田茉莉子って豪華! 花魁の娘が芸者になって、真剣な恋に落ちるけど成就せず、恋多き母を恨みつつ、つくし続ける、っていう物語。 切ないです。誰も報われない。花魁は芸者より”下”なのか、っていう問題じゃ…
1963年の作品。主人公、女形の大スター「雪之丞」を演じるのが、当時55歳の長谷川一夫なんだけど、美形にはちげぇねぇが女らしさが皆無だ。(←なんか変な影響受けてる) 一人二役で演じる「闇太郎」のほうは、典型的な時代劇の名優らしい、大層な貫禄だ。女…
1964年作品。 若尾文子と岸田今日子。なんと新藤兼人が、谷崎の小説を脚色したんですね。どうりで、じっとりと絡みつくような人間くささ。若尾文子ってほんとに、どうしてこんな役ばっかりだったんだろ。いまは深田恭子が(もともと容貌に共通点が多い気がす…
なんでNHK BSプレミアムが繰り返しこの映画を放送しているのか。 名作ではないし、珍品というほどすごくはないし。 今まさにやばい、ちびクロサンボ的な、アフリカとアジアが混じったような原住民の描写。 やっぱり珍品扱いかな〜。山本陽子がすっごく可愛く…
つい先日、松本幸四郎が検校役をつとめる歌舞伎を見たので、それにちなんでこの映画も見てみることにしました。 原作が書かれたのは、実はこの映画の数年前。それが当たったから1960年に大映が映画化したが、鳴かず飛ばずだった勝新太郎がこの映画で大当たり…
1979年作品。 犯罪被害者の遺族という人たちの気持ちを、どこまで私は想像できるだろう?10年や20年で吹っ切れるようなものではないように思えるだけです。 仇討ちっていうものが認められる時代じゃないけど、その気持ちの行き場を探すのは当然の成り行…
1973年の作品。 藤田敏八監督作品は、もれなくどれも暑苦しくて、ちょっとtoo muchな感じがする。 小池一夫原作作品もそうだ。だからこの映画は、もれなく暑苦しすぎるんだけど、なによりとにかく梶芽衣子が美しかった。 こんなに若くてキレイなのに"可愛い"…
1972年の映画。新藤兼人作品のなかでは特にアートに走ったほうの作品です。 時代劇かと思ったら、現代と古代を行ったり来たり。女の執念はいつの時代も同じです! 趣向もおもしろいけど、短めのカットが次々と入れ替わるのに、だんだんなんとなく飽きてきま…
1961年、前作と同じ年に出た続編です。なんというスピード! ほぼテレビドラマの感覚で作られてたんでしょうね。 前回カタツムリ、マムシ、カエルの缶詰を開発したこの会社は、こんどは浜名湖の業者のうなぎを買い占めにかかります。 技術とか営業力とか、イ…
1961年の作品。 だいたいにおいて森繁久彌が主役の映画は、日本の高度成長期の楽天的な世情がよく出た明るい映画が多いです。森繁社長の狸っぷりもすごいし、脇を固める小林桂樹、加東大介、三木のり平・・・そして森繁演じる三沢社長を「三沢ちゃ〜ん」と呼…
1970年作品。 お間違いなく、この映画はヌード映画ではありません。(私も誤解してました) しかし、関根恵子ってなんて美しいんでしょう! 端正で清潔で、完璧な果実のような少女ですね。 結婚相手の新克利も落ち着いたいい大人の男性だし、クラスメイトの…
市川崑監督、山本富士子と船越英二主演の、赤ん坊(私)が折々に一人称で大人を語る映画。 皮肉もあるけどそこそこに、全体的には落ち着くところに落ち着いてほっとする映画でした。 耽美派の監督にしては、あまり耽美に走っていないホームドラマ的なしつら…
1958年の作品。 この監督の作品は、「暖流」も「妻は告白する」も強烈に面白かったけど、この映画も面白かった。 激しさとスマートさのバランスがよくて、熱血というか”モーレツ”会社員もどこかスタイリッシュで上品な感じがする。美しさをちゃんと考えて作…
1954年の作品だけど、当時の映画の技術のすべてにおいて卓越しています。この先いつ見ても、どの時代の映画と比べても遜色ないだろうなぁ。溝口監督の作品は、ほんとうに完成度が高いです。人間の心の奥の純粋で汚れない部分と、それを取り巻く弱さを、てい…
1988年の作品なんだ。もう27年も前だ。 こんなかわいそうな映画見られるか!って思ってずっと見なかったけど、今年は終戦70周年で恐ろしいドキュメンタリーもたくさん見た。戦争映画もかなり見るようになった。これだけ見ないということもなかろうと思って…
前にレンタルした時に感想書いてなかったので、二度目の感想を書きます。ぱっと見は、「東京物語」のほうがじんとして、切ない残り香みたいなものがあったけど、この映画のほうが細かい部分も含めて完成度の高さを感じたかも。原節子には現代的なところがな…