1964年作品。
若尾文子と岸田今日子。なんと新藤兼人が、谷崎の小説を脚色したんですね。どうりで、じっとりと絡みつくような人間くささ。
若尾文子ってほんとに、どうしてこんな役ばっかりだったんだろ。いまは深田恭子が(もともと容貌に共通点が多い気がするけど)その役割を担っているように思いますが、実に腹黒く顔白い(すみません、適当な表現をしてしまいました)美女をひょうひょうと演じ続けましたね。この映画はイヤらしい映画ではなくて、人間の極限の弱さをさらりと描いた、軽いホラー作品、という気がします。堪能しました。