映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

内田吐夢監督「宮本武蔵」410本目

1961年作品。
音楽が「ゴジラ」にそっくりだと思ってチェックしたら、やっぱり同じ人が音楽をやってました。

武蔵にかぎらず、映画のヒーローってお人好しの損な性格ってのが多いですね。
好きな女にも好かれるけど、それ以外の女につきまとわれたり、男友達のことで罪を背負わされたり。
この映画の武蔵(中村錦之助)も悪いことなど何もしてないんじゃないかと思うけど、いろんな災難がどんどん降り掛かってきます。というようなことを訴えても、「そういう枝葉末節じゃなくて、おまえの性根が問題だ」と、(まだ30代の三國連太郎演じる)沢庵和尚に言われて、聞いちゃもらえない。
この映画のなかでは、武蔵は始終腹の底から叫んでるし、入江若菜は優等生的なお嬢さんをねばりつくように演じていて、好みの問題なんだろうけど、ちょっと疲れました…。