ブレードランナーは2046年だっけ?と思った人が1万人はいたであろう、冒頭のネオ香港的な街並み。違うんですよ、ブレードランナーの舞台は去年の2019年。しかもこの映画でいう「2046」は年号ではなくルームナンバーということになっています。美しい男女が美しい服を着て、夢とうつつを行ったり来たりする、ウォン・カーウァイの世界です。
常連トニー・レオンは、ちょっぴりオーラが弱まって、やっとちょうどいい感じ(今までは「愛してるよ」圧が強すぎて怖いくらいだった)。チャン・ツィイーは今回は悪い女の訳だけど、やっぱりどこか可憐ですね。遊んでやってるのよ、という風だったのが、すっかり惚れこんでしまって最後は後を追ってしまう。
ホテルの支配人の長女、フェイ・ウォンが付き合っている木村拓哉は「2046という場所から戻ってきた唯一の人間」。日本風味好きなんですね、監督。そこだけピキッと目が覚めたようになるし(母語だから)キムタクは重力(トニー・レオンの「圧」とも違う)がありすぎてあまり好きじゃないけど、香港映画の中では、敵でもあり憧れる部分もある、いいスパイスなのかもしれません。日本の映画にも外国風味や外国人はよくt出てきます。
コン・リーとかチェン・チャンも一瞬出てましたね。香港美形オールスターズ!
相変わらず、「理解しよう」と思うと迷路に迷い込んでしまう映画ですが、ふわふわと楽しむ分には美麗で優雅な映像でした。大人たちの恋もせつなくすれ違うんだな…。