映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ヤン・シュヴァンクマイエル監督「ファウスト」3325本目

ゲーテのファウストの筋がわかってないので、「アリス」のように場面、場面のシュヴァンクマイエル的展開の面白さが伝わってこない。凝りに凝った美術がすごいなぁと思うけど、キョトンとしてるうちに終わってしまった。

多分、全体をどう見せるかより細部にこだわる人だと思う。だから元ネタを知ってると「そう来たかー」と思えるけど、知らないと、ただ見ているだけではどこへも連れて行ってはくれない。でもたとえば、スタジオジブリが「桃太郎」をアニメ化したとしたら。外国の人が初めて見ても、文脈ゼロで感動するかもしれないけど、日本人が見て「誰でも知ってるあの話」と思うのとは違う。

この人の作品は見る人を選ぶけど、今後の作品と相性がいいといいな~