どんな人にも愛する喜びがある。異性でも家族でも。片思いでも両想いでも。という、ユーモラスで温かい作品です。
冒頭に、アメリカ同時多発テロについて言及する箇所があるんですよ。犠牲者の方々が最後に残したのは愛のメッセージだった。という流れなんだけど、私、これがダメというか、グッときすぎてしまって・・・。イエジー・スコリモフスキー「イレブン・ミニッツ」が頭から離れなくて、このあとの愛し合う人々がカタストロフィを迎えるように思えて、なんか泣いちゃうんですよ。ばかみたいだけど。まるで幽霊が出るよと言われるとギャン泣きする小学生並みに。
それくらい、愛は美しいけどはかないものだと私は認識している。でも、何度も冒頭で断念したこの映画を改めて見てみようと思ったのは、割と今落ち着いて生活に満足できてるからかな・・・。
とか言うのがばかばかしいほど、全体的にはハッピーな映画です。特に、アメリカで英国男がもてると信じて渡米するおめでたい青年のくだりと、クラウディア・シーファー好きの男がクラウディア・シーファーそっくりの女性(本人が演じてる)と知り合って付き合い始めるくだりとか。偶然に出会って、ふっと好きになって、うまくいったりいかなかったり。でもみんな愛して誰かに愛されて、というひとつひとつは小さな人生を送るのだ。
なんとなく、近くに人がいてもいいなという気分になる。こんなおばちゃんにもまだ、誰かと知り合って仲良くなる機会があるんだろうか。自分から山にこもっていないで、ドアを開けて待っててもいいのかな、という気にさせる映画なのでした。