映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ロバート・シオドマク監督「殺人者」3701本目

こういうスリリングな昔のサスペンス映画、大好き。バート・ランカスターのデビュー作ですって?彼の出演した映画って何本も見たけど、「泳ぐひと」のさまよい歩く姿が一番印象に残ってます。この作品の彼も、さまよい生き惑う若い頃の姿で、みょうに関連性を感じられてしまう。たくましいんだけど、妙に無垢な青い瞳がどこか頼りない。悪いんだけど極悪じゃなくて、うまく利用されて殺されるほう。賢く立ち回ってるつもりの他の男たち、そしてファム・ファタールの「キティ」。カーク・ダグラスみたいにアゴが割れたクール・ビューティ。

こういう女に魅入られたら、男ってのは道を踏み外してしまうんだろうな・・・。小粒なやつなら、どの会社にもどの団体にもいるのよ、こういうの。同性のことはよくわからないんだけど、少なくとも相当の割合で、いい女に操られたいと思ってる男が存在するようだ。トホホ。(死語)

退屈な日常から逃げ出したい欲求は「テルマ&ルイーズ」のように女性にもあるんだろうな。中には悪い男に連れ去られてひどい目にあう女性もたくさんいるのかもなぁ。冒険するなら誰も連れずに一人で飛び出す私には、連れは要らないけどな。

殺人者(字幕版)

殺人者(字幕版)

  • バート・ランカスター
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