映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

佐藤太監督「hide 50th anniversary FILM JUNK STORY」3780本目

hideが亡くなった1998年に私は何をしてたか?IT会社の派遣から社員になったところで、「Pink Spider」が、当時契約してたケーブルTVのSpace Shower TVでヘビロテしてて、鮮烈な印象があったのを記憶してる。まさにこれから世界に打って出るぜ!というときの突然の訃報。運命の神様がときどきやる、ショッキングな気まぐれだ。

この映像を見ても、自分で選んだ帰結だとは思えない。テンションが上がりすぎて、精神も肉体もついていけなくなっていたときに起こった事故、という気がする。

今聴くと、強くて明るくてすごいエネルギーをもった音楽だった。それでも「Pink Spider」にどこか不吉なイメージがあるのは、槇原敬之も「Hungry Spider」直後に逮捕されたせいかな…。(迷信みたいなもんですね、すみません)

彼自身もすごく魅力的な人だったんだな。すでに彼に恋をしてた人たちにとって、その喪失のショックはどれほどのものだっただろう。

当時私は彼らの音楽を積極的には聞いてなかったけど、今はあの時代を一緒に過ごしてた、と感じる。私が何をしてもどこにいても、当時彼らの音楽が流れていたから。だんだんそういうことを大事に思うようになるんだよね、年をとると…。